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東大寺・執金剛神立像:仏師、会心の「ひねり」 足元構造、制作中ひらめき -...

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東大寺・執金剛神立像:仏師、会心の「ひねり」 足元構造、制作中ひらめき - 毎日jp(毎日新聞)

 奈良時代の代表的な仏像の一つで、上半身をひねったポーズで知られる東大寺法華堂(奈良市)の執金剛神(しゅこんごうじん)立像(国宝)が、ひねりを表現するために制作途中で足元の構造を急きょ変更した可能性が高いことが山崎隆之・愛知県立芸大名誉教授(仏像技法史)の研究で分かった。左肩を前方に突き出し右肩を後ろに引く迫真の姿は仏師のこだわりから生まれたという。

 像は、木材で骨組みとなる芯(心木)を作り、その上に土を盛って作る塑像。既に心木とは別に足元に添え木があることなどは分かっていたが、今回、奈良国立博物館(奈良市)の調査に伴い、新たに撮影したエックス線写真などを分析した。

 その結果、添え木と心木を固定するくぎは、右脚が後方から前方へ、左脚はその逆向きで、互い違いに刺さっていた。添え木は台座に固定された支柱と判明した。

 山崎さんによると、当初は心木が台座に直接固定されていたが、ある程度制作が進んだ段階で切断、像全体を少し回転させた上で支柱を使い、くぎで固定したとみられる。強度は弱くなるが、像全体を作り直すことはできなかったため、仏師はあえて踏み切ったようだ。

 上半身をひねった仏像は高度な技術が必要で、この仏像以外では興福寺の金剛力士立像(国宝、鎌倉時代)などわずかしかない。山崎さんは「仏師は強度を犠牲にしても爆発的なエネルギーを表現したかったのだろう。そのこだわりが類のない迫力を生んだ」と話している。


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