“ 読まれることの大切さを示すエピソードをひとつ紹介しよう。かつて「巨人の星」が大ヒットした時、某出版
社が対抗策として、それまでなかった「巨人軍」のマーク(商標権)の漫画化権をわざわざ作って買った。そのせいで「巨人軍」の漫画は、その出版社の独占と
いう事になり、他の出版社は「巨人軍」の漫画は載せられなくなった。結果、何が起こったかというと少年誌からプロ野球ファンを減らす事になり、その後、も
りあがって来たサッカー人気におびえ、対抗策として、一番人気のある長嶋を永久監督にする事によって支えにした。しかし長嶋の命も永久ではない。あの老骨
にムチ打たせているのは、某出版社が本来の務めである掲載作品の充実ではなく、権利を買うことによって、他社の漫画家の「創作活動」に圧力をかけた企業エ
ゴに端を発しているのだ。漫画化されたスポーツがファンを養成する事はプロ野球に限ったことではない。累計一億冊売った、といわれる「スラムダンク」は、
果たしてどれくらいのバスケットボールファンを生んだか計り知れないものがある。
それだけ漫画の持つ影響力が大きくなっている。つまり読まれる事の影響力もあるが、読まれないことの影響力も大きいのだ。”
- 「21世紀のコミック作家の著作権を守る会」緊急アピールに対するみやわき心太郎氏の意見(復刻転載)
それだけ漫画の持つ影響力が大きくなっている。つまり読まれる事の影響力もあるが、読まれないことの影響力も大きいのだ。”
- 「21世紀のコミック作家の著作権を守る会」緊急アピールに対するみやわき心太郎氏の意見(復刻転載)