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- 温めた赤ワインに一昼夜浸して、超伝導に - スラッシュドット・ジャパン
YOMIURI ONLINE の記事によると、鉄系超伝導関連物質をお酒につけて加熱・冷却することによって超伝導状態が発現することを物質・材料研究機構 (NIMS) の研究グループが発見した (NIMS のプレスリリース、より詳しい JST のプレスリリース) 。成果は 8/1 から開催される ASC2010 で発表されるそうだ。
背 景として、2008 年に新たな高温超伝導体の系列として鉄系超伝導体 LaFeAs (O, F) が発見された。これは、鉄と砒素 (FeAs) もしくはそれと構造が似ている FeP, FeSe がつくる二次元構造が超伝導の起源と考えられている。しかし、同様に結晶構造が似ている FeTe では超伝導は発現せず、S をドープした FeTe1-xSx のうち FeTe0.8S0.2 を空気中に暴露すると超伝導体になることが見出されていた (JST のプレスリリース) 。これは空気中の水分・酸素により発現したものと考えられるが、発現までの期間が数ヶ月かかっていたそうだ。そこで研究グループは、試料を一昼夜、70 ℃ の赤ワインに浸して超伝導体 (超伝導転移温度 Tc 〜 8K) が作り出せることを見出した。そしてさまざまな酒 (赤ワイン、白ワイン、ビール、日本酒、ウイスキー、焼酎) を比較した結果、赤ワインが最も強く超伝導が発現し、焼酎がもっとも弱かった。研究グループは焼酎は蒸留が進んでいるため、水・エタノール以外の成分が少 なかったためではないかと考えている。今後、どの成分が効いているのかを調査する予定だそうだ。
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