“Q:
ガンダムというキラーコンテンツを持っていて、Webのチャネルも持っていて、なかなかほかの人には真似しづらいところもあると思うんですが、ガンダム以外でも新しいウインド戦略は有効だと考えますか?
宮河:
ガンダムってキラーコンテンツと言われますが、SEEDの前は相当落ち込んでいたんですね。SDガンダムで支えていたような時代が10年以上あったんです ね。それを考えた上でウインドが無くなると言うことは、いい物を作らないと一瞬で見放されるということですね。昔OVAというのがあったと思うんですが、 OVAっていうのは……言ってしまうとビニ本みたいなもので、「この人が作ってるから買う」というので中身が分からないまま買っているところがありました。これからは全部を見せて、その上で買っていただくというのが重要かなと思います。
僕がアメリカで過ごしていた時期、バーンズ&ノーブルと いう本屋さんに行って衝撃的だったのが、ソファーがあるんですね。今でこそ当たり前ですが、本屋でゆっくり本を読んで、それで買う。日本では立ち読みして ると「立ち読みしないで」って言われるイメージだったんですが、本ってちゃんとソファーに座って読んで、納得して買うんだという、それを展開したのがバー ンズ&ノーブルだったと思います。それと同じことが、映像にも起こってるんじゃないかな、と。
そういう意味ではBlu-rayを映画館に同時に置くっていうのはどういうリスクを持ってるかというと、つまんない映画だとまったく売れなくなるわけです ね。しかもそれが「つまんなかった」ってネットに書かれると、2週間後のBlu-rayも売れなくなる。ウインドが短くなればなるほど、作り手がお客さん の欲しい物を作らなくちゃいけなくなってくる。
サンライズの作品で「コードギアス 反逆のルルーシュ」 というのがありますが、当初原作はそこまで知名度の高い作品ではなかった。それをどう料理していくかというのは、会社の大小とはあまり関係がないし、それ 以上にサンライズというブランドが作品に対して負に働いてはいけないと思っています。サンライズだから映画を見るなんてことは無いんですね。「ソーシャル ネットワーク」だから見に行くんであって、ソニーピクチャーズの映画だから見に行くんじゃないですよね。そういうことを会社って誤解することがあって、 「ウチのブランドだから見るだろう」とか、それよりはタイトルをどう大切にしていくのかということが重要だと思いますね。”
- これからは大人の事情の戦略は通用しない、サンライズ宮河常務の語る今後のコンテンツ産業の新マーケティング - GIGAZINE
ガンダムというキラーコンテンツを持っていて、Webのチャネルも持っていて、なかなかほかの人には真似しづらいところもあると思うんですが、ガンダム以外でも新しいウインド戦略は有効だと考えますか?
宮河:
ガンダムってキラーコンテンツと言われますが、SEEDの前は相当落ち込んでいたんですね。SDガンダムで支えていたような時代が10年以上あったんです ね。それを考えた上でウインドが無くなると言うことは、いい物を作らないと一瞬で見放されるということですね。昔OVAというのがあったと思うんですが、 OVAっていうのは……言ってしまうとビニ本みたいなもので、「この人が作ってるから買う」というので中身が分からないまま買っているところがありました。これからは全部を見せて、その上で買っていただくというのが重要かなと思います。
僕がアメリカで過ごしていた時期、バーンズ&ノーブルと いう本屋さんに行って衝撃的だったのが、ソファーがあるんですね。今でこそ当たり前ですが、本屋でゆっくり本を読んで、それで買う。日本では立ち読みして ると「立ち読みしないで」って言われるイメージだったんですが、本ってちゃんとソファーに座って読んで、納得して買うんだという、それを展開したのがバー ンズ&ノーブルだったと思います。それと同じことが、映像にも起こってるんじゃないかな、と。
そういう意味ではBlu-rayを映画館に同時に置くっていうのはどういうリスクを持ってるかというと、つまんない映画だとまったく売れなくなるわけです ね。しかもそれが「つまんなかった」ってネットに書かれると、2週間後のBlu-rayも売れなくなる。ウインドが短くなればなるほど、作り手がお客さん の欲しい物を作らなくちゃいけなくなってくる。
サンライズの作品で「コードギアス 反逆のルルーシュ」 というのがありますが、当初原作はそこまで知名度の高い作品ではなかった。それをどう料理していくかというのは、会社の大小とはあまり関係がないし、それ 以上にサンライズというブランドが作品に対して負に働いてはいけないと思っています。サンライズだから映画を見るなんてことは無いんですね。「ソーシャル ネットワーク」だから見に行くんであって、ソニーピクチャーズの映画だから見に行くんじゃないですよね。そういうことを会社って誤解することがあって、 「ウチのブランドだから見るだろう」とか、それよりはタイトルをどう大切にしていくのかということが重要だと思いますね。”
- これからは大人の事情の戦略は通用しない、サンライズ宮河常務の語る今後のコンテンツ産業の新マーケティング - GIGAZINE