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- モーツァルトの<声変わり> モーツァルトの初期オペラと後期オペラ
カストラートは18世紀の後半にはだんだんと衰退に向かっていきます。19世紀になると禁止されるようにもなってきます。そして、19世紀の半ば にはオペラに登場することが一切なくなります。しかし、驚くことに、バチカンの聖歌隊には細々と生き残っていたのですね。この地上から最後のカストラート が消えたのは1922年です。つまり、20世紀まで生き残っていたのです。
最後のカストラート歌手
歴史上最後のカストラートはアレッサンドロ・モレスキという人です。この人は1922年にバチカンで亡くなっています。つまり、バチカンの聖歌隊 に属していた。この人が1904年に録音を残しています。エジソンの録音が始まって間もない頃なのですが、いろいろな珍しい音声を記録することが行われま した。そのときに、まだ生き残っていたモレスキの声を録音しました。ただ、もうこのときは、一番きれいな声が出せる時期をとうに過ぎていたし、録音が非常 に悪いので、聴いてみるとがっかりしてしまいますが、とにかく、これは本物のカストラートの声なんだということで、ちょっと聴いてください。
最後のカストラート、アレッサンドロ・モレスキ。ロッシーニ作曲「荘厳ミサ曲」から「十字架上のイエス」(1904年録音/バチカン)AIessandro Moreschi, the last castrato. Complete Vatican Recordings (Pearl Opal CD 9832)
いかがでしょうか。ともかくこれはホンモノで、この録音はCDでも発売されています。10曲ぐらい録音されています。
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