“イーグルマン准教授によれば、恐怖体験中には扁桃体と呼ばれる脳内領域の活性が通常より高くなり、他の脳内領域で処理される通常の記憶に加えて、もう1セットの記憶が生み出される。これにより、恐怖体験の記憶は、通常より内容が濃くなり密度が高くなる。
ビデオ映像なら、解像度や色数に関わりなく記録時と同じ速度で再生することができる。だが、われわれの脳はそんなふうに出来ていない。いわば、密度が高い 記憶ほど“再生”に時間がかかってしまうのだ。だから、記憶密度の高い体験ほど、実際よりも長く続いたように感じてしまう。
イーグルマン准教授は、恐怖体験以外にも記憶の密度が高い体験があることを指摘している。人は初めて体験したことをほかの出来事や経験よりも、高い密度で記憶する。年を取るにつれて時間の経過が速く感じられるようになっていくのは、このためだという。
「子供のときは、あらゆる体験から中身の濃い記憶が生まれる。年を取るにつれて、たいがいのことは既に体験済みのこととなり、記憶の中身が薄くなってい く。ゆえに、子供がある夏の終わりを思い出すとき、その夏は永遠に続いたかのように長く感じる。大人にとっては、あっというまに過ぎ去った夏であっても」 とイーグルマン准教授は述べている。
子供のときなら、次から次へと初めてのことを体験する。だから密度の高い記憶が形成される。ところが同じことを再び体験したときや前と似たようなことを体 験したときは、初体験のときより記憶の密度がずっと低くなる。その繰り返しで、だんだんと時間の経過が速く感じられるようになっていく、というわけであ る。
もし、記憶の密度と後から感じる時間の長さがこのように比例しているなら、充実した人生を送るヒントが見えてくる。変化の多い生活、あるいは次から次へと新しいことにチャレンジする日々を送ればいい、ということになる。”
- なんでも評点:落ちて死ぬ寸前の人が見るスローモーション、年齢と共に加速していく歳月の経過 ― “記憶の密度”という説明
ビデオ映像なら、解像度や色数に関わりなく記録時と同じ速度で再生することができる。だが、われわれの脳はそんなふうに出来ていない。いわば、密度が高い 記憶ほど“再生”に時間がかかってしまうのだ。だから、記憶密度の高い体験ほど、実際よりも長く続いたように感じてしまう。
イーグルマン准教授は、恐怖体験以外にも記憶の密度が高い体験があることを指摘している。人は初めて体験したことをほかの出来事や経験よりも、高い密度で記憶する。年を取るにつれて時間の経過が速く感じられるようになっていくのは、このためだという。
「子供のときは、あらゆる体験から中身の濃い記憶が生まれる。年を取るにつれて、たいがいのことは既に体験済みのこととなり、記憶の中身が薄くなってい く。ゆえに、子供がある夏の終わりを思い出すとき、その夏は永遠に続いたかのように長く感じる。大人にとっては、あっというまに過ぎ去った夏であっても」 とイーグルマン准教授は述べている。
子供のときなら、次から次へと初めてのことを体験する。だから密度の高い記憶が形成される。ところが同じことを再び体験したときや前と似たようなことを体 験したときは、初体験のときより記憶の密度がずっと低くなる。その繰り返しで、だんだんと時間の経過が速く感じられるようになっていく、というわけであ る。
もし、記憶の密度と後から感じる時間の長さがこのように比例しているなら、充実した人生を送るヒントが見えてくる。変化の多い生活、あるいは次から次へと新しいことにチャレンジする日々を送ればいい、ということになる。”
- なんでも評点:落ちて死ぬ寸前の人が見るスローモーション、年齢と共に加速していく歳月の経過 ― “記憶の密度”という説明