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- 謙虚な英雄スティーブ・ウォズニアック氏を語る(下) | WIRED VISION
ほこりをかぶった作業台には、アップル社の古いマシン数台と「マック・チムニー(煙突)」と呼ばれる厚紙でできた長い奇妙な装置が置かれていた。
この装置は両端が開いた先細りの箱で、初代マッキントッシュの過熱を防ぐための付属品として発売された。マックの上部に取り付け、熱を対流によって上に逃がすために使われる。
デイマー氏はマック・チムニーをこっけいだと思った。大きく変てこな外見で、小さくすっきりしたマシンの美しさを台無しにしていた。まるでマックがとんがり帽子をかぶっているようだった。
ウォズニアック氏と共にアップル社を創立し、マック開発の原動力となったジョブズ氏が冷却ファンの音を嫌ったため、この煙突が必要になった。本来 は必要な冷却ファンを付けずに発売されたおかげで、机の上でマシンが溶けてしまわないよう、多くのユーザーが厚紙の煙突を買うことになった。
この煙突はジョブズ氏の妥協しない性格を表した面白い例だとデイマー氏は考えている。ジョブズ氏は常に正しいわけではなかったが、常に自分の欲し いものを手に入れてきた。デイマー氏によると、初代マックの筐体はしっかり閉じられており、特殊なドライバーがなければ開かないため、ほとんどのユーザー は自前の冷却ファンで応急処置を施すこともできなかったという。
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