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"ドゥアンヌは,まず動物とヒトに共通の「数を量的に把握できる能力」があるという議論をしている.ヒトの発達心理学的には,ピアジェの「数の認識はすべて学習によって獲得する」という説が通説であったのをくつがえし..."

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ドゥアンヌは,まず動物とヒトに共通の「数を量的に把握できる能力」があるという議論をしている.ヒトの発達心理学的には,ピアジェの「数の認識はすべて学習によって獲得する」という説が通説であったのをくつがえしていく学説史ということでちょっと力が入っている.結局ピアジェが誤ったのはその実験の方法に問題があったということになるが,面白いのは,幼児の数の認識を調べるには言語で尋ねるより,(見つめる時間を計るというのは有名だが)チョコレートで実験した方がいいというくだりだ.さもありなんということだろう.

        

また認知的に興味深いのは,幼児の認識には1+1が2にならなければ驚くが,ボールが人形に変わったりしても驚かないというステージがあるの

だそうだ.それは,数については生得的な理解で問題ないが,あるものが同一かどうかの理解は,同じものが視覚的にかなり異なって見えることがあるので,様 々な見え方の学習の後に同一性の認知が発達するということだと説明されている.

次にその数の把握認識の詳細だ.これは量的な計測モジュールによっているので数が4より大きくなると概数的になるし,小さな数より大きな数の方が認識時時間がかかる.そして空間認識と密接な関連があり,また基本的に対数的に働く.

        

またこのモジュール

無意識的にスイッチが入る.だからヒトは8と9が同じ数字かどうかを判別というタスクについて,2と9のときに比べて時間がかかる.これは文字の色と単語 の色を変えたとき(例えば赤いインクで「緑」という言葉を印刷する)に文字の色を答えさせるタスクが非常に難しくなるという認知現象とパラレルなものだろ う.



- 書評 「数覚とは何か?」 - shorebird 進化心理学中心の書評など (via gtokio)

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